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健康診断に関する是正勧告

健康診断に起因した是正勧告では、定期に健康診断を行なっていない、雇入れの際健康診断していない、特殊健康診断をしていない、パートの健康診断をしていないなどのケースがあります。

健康診断は、「雇入れ時」と「定期健康診断」、「特殊健康診断」などに分類されます。

雇入れ時の健康診断は、従業員を雇入れたら速やかに行なうことになっており、3ヵ月以内の健康診断結果があれば代用することができます。

しかし、雇入れた後に健康に関するトラブルを招かないためにも、雇入れる前に健康診断を受けさせ、その結果をもって選考した方が良いと思います。

病気を隠していたケースや入社後すぐに休業したケースなどもあります。

定期健康診断は、1年以内に1回と義務付けられています。

定期健康診断には、その検査項目も以下の通り定められています。

既往歴及び業務歴の調査

自覚症状及び他覚症状の有無の検査

身長、体重、視力及び聴力の検査

胸部エックス線検査及び喀痰検査

血圧の測定

貧血検査

肝機能検査

血中脂質検査

血糖検査

尿検査

心電図検査

また、高圧室内業務、放射線業務、特定化学物質等業務、鉛業務、四アルキル鉛等業務、有機溶剤業務などの、有害業務に従事する労働者に対しては、特別の項目についての特殊健康診断を行わなければなりません。

特殊健康診断は、行なう業務に合わせて特別の項目が定められており、定期健康診断とは異なり、6ヵ月に1回行なうことになります。

また、雇入れの際や配置換えの際にも行なう必要があり、健康障害の発見までの潜伏期間が長いものは、業務から離れた後も行なわせる必要があります。

ちなみに、定期健康診断の受診時間は無給でも構いませんが、特殊健康診断は有給で行なわなければなりません。

また、健康診断は、実施すること自体が目的ではありません。

会社として、従業員の健康を管理し、健康診断の結果、異常の所見があると診断された従業員に対して、適切な事後措置を取ることが目的であり、健康診断を実施することはそのための手段にすぎません。

したがって、ただ健康診断を実施しただけでは、会社として取るべき措置は不十分と言えます。

実際、労働安全衛生法では、「健康診断結果において、異常の所見があると診断された労働者の健康を確保するために必要な措置について、当該健康診断が行われた日から3か月以内に医師から意見を聴取しなければならない(なお、聴取した医師の意見は健康診断個人票に記載すること。)」旨が定められています。

健康診断の結果、異常の所見があると診断された従業員がいるにもかかわらず、会社が、医師から意見を聴取するなどの措置、いわゆる健康診断の事後措置を怠っている場合は、健康診断を実施していたとしても、労働基準監督署から是正勧告が行われることになります。