変形期間における法定労働時間の総枠

1か月単位の変形労働時間制において、変形期間における法定労働時間は、週あたり40時間(※)を超えない範囲内で定めなければなりません。

そのため、変形期間における法定労働時間には、自ずと上限となる時間(以下、「総枠」といいます。)が決まってしまいます。

総枠の時間は、次の式により計算されます。


変形期間における法定労働時間の総枠 計算式

変形期間における法定労働時間の総枠 = 40時間(※) × 変形期間の暦日数 ÷ 7

※ 商業、映画・演劇業、保健衛生業、接客娯楽業で、従業員数が10人未満の事業所においては44時間


変形期間を1ヶ月とした場合の法定労働時間の総枠(限度時間)

週法定労働時間 31日の月 30日の月 29日の月 28日の月
40時間 177.1時間 171.4時間 165.71時間 160.00時間
44時間 194.8時間 188.5時間 182.28時間 176.00時間

※時間の端数処理をする場合には切り捨てることに注意しましょう。

労働時間の特定

1ヶ月単位の変形労働時間制は、あらかじめ各日の労働時間を労使協定または就業規則等で特定しなければならない制度です。使用者が業務の都合等により任意にその労働時間を変更するようなものはこの制度には該当しません。平11.3.31 基発第168号

また、就業規則には始業及び終業時刻を定めることになっていますので、就業規則等には各日の労働時間の長さだけではなく、始業および終業時刻を定める必要があります。 労基法第89条第1号

変形期間後について必要に応じ勤務割を変更できる場合(JR東日本事件、東京地判平12.3.27等)

判例では、「就業規則に具体的な事由を記載した変更条項を置き、労働時間を変更するのは、労働時間の特定を求める労働基準法第32条の2の文理面に反しない」ただし、「労働者からみてどのような場合に変更があるか予測できる程度に事由を具体的に定める必要がある」と限定条件付で判示されています。

例外(シフト制)

月ごとに勤務割を作成する業務については、就業規則において以下の定めを設けた場合、それに従って各日ごとの勤務割りを変形期間の開始前までに具体的に特定すれば良いことになっています。 昭63.3.14 基発第150号

1. 各直勤務の始業・終業の時刻

2. 各直勤務の組合せの考え方

3. 勤務割表の作成手続及び周知方法等