通常の賃金と明確な区分をつける

行政解釈などによれば、残業代を込みとする場合「割増賃金相当額と通常の労働時間に対応する賃金部分が区分されていること」が必要とあります。判例でも「割増賃金に当たる部分が明確に区分されていること」とされています。


このことが問題になるケースは、「基本給に月30時間の時間外労働に対する割増賃金を含む」などとし、別途、手当を支給しない場合です。こうした主張(記述)では、通常の賃金部分と割増賃金部分とが明確に区分されていないとみなされてしまいます。

「営 業手当」や「職務手当」など、他の手当名称で残業代を支給しているとした場合、本来「営業手当」や「職務手当」にはその手当としての意味合いがあるはずで すので、明確に就業規則(賃金規定)や雇用契約書(給与辞令)などで一定額分が残業分であるとし、その手当のうち○○○円が残業分であると明記する必要が あります(手当全額を残業分とすることも可能ですが、前述したとおり、多少の不安は残ります)。


パターン?の就業規則の例のように、名称は「固定残業手当」とし、固定残業手当の意味合いを就業規則(賃金規定)で明確にし、かつ、込みとする残業時間まで明示すれば完璧です。

また、固定残業手当額分以上の残業が発生した場合にその差額を支払う旨は、就業規則の割増賃金のように規定し、実際に計算して支払えばよいでしょう。

さらに、毎月一定時間、深夜時間帯に勤務が発生する夜勤専従者などの場合は、深夜割増分(×0.25)まで定額で支給することも可能です。その場合は、固定深夜手当などと別立てにして、固定残業手当と同様に明示します。
もっとも、長時間労働の抑制という観点からも、深夜割増分まで定額とすることはなるべく避けたほうがよいと思われます。